きみに守られて

その悲痛の陰がユリツキを
狂おしく深い所に追いこみ、
苦しめた。

「そうだよ・・
今のユリには魅力を感じない。
スクリーンに映る君が好きだ。
テレビの中に入る君が好きだ。
目の前にいる大島優里は違う・・」

流れない涙の分、
苦しみが心に貯まり倍増した。
(君との記憶は死ぬまで
大切に持って生きたい。
持っていたいから、
重いんだ。
馬鹿で弱いぼくを許してくれ。
あぁ、許されないか・・・)

机の上に色とりどりの
髪飾りを残し優里は
自分の部屋へ逃げ込んだ。

他人に深入りした経験がない男。

どんな発言をすれば良かったのか
一人冷静になっても
答えが見出せない事実に気づく。

深入りする前に身を引き、
逃げていた過去だけなのだ。

眠らない男の長い夜、
幾度か優里の部屋に立つが
ドアを開ける勇気も無く、
伝えるべき言葉も分からない。