きみに守られて

それは女性と少女を
しっかり主張した品物ばかりだった。

「さぁさぁ遠慮せずに!」

この中から絶対選べと主張していた。

飾りなど一切付いていない
一番シンプルな赤いだけの輪ゴムを、
数ある中に埋もれていた一つを
並々ならぬ集中力で探し当て、
手に取った。

一部始終見ていたはずの優里は、

「これなんか、どう?」
薄い桜色をした半透明なサイコロが
ぶら下がった輪ゴムを勧める。

赤いだけの輪ゴムを
お守りのように握り締め、
ユリツキは小刻みに
無表情の顔を横に振った。

「じゃ~ねぇ。これは?」

優しい口調で勧める優里。
紫のボンボンが付いていた。

ユリツキは
赤いだけの輪ゴムを両手で持ち、
胸元まで必死に持ち上げてから再度、
小刻みに頭を横に動かす。

「じゃ!どれがいいの!?」

ユリツキは
赤いだけの輪ゴムを
やっとの思いで口元まで待ち上げた。

「却下!」

途方に暮れるユリツキ。

「ねえ、ちゃんと選んで。
どれがいい?」

小悪魔の笑顔をユリツキは、
久々に見た気がしていた。

精一杯の勇気を出し、
優里の目も見ないまま俯き小声を出す男。
「赤い輪ゴムでいいです。
これでいいです。
これでお願いします」

優里は渋々赤いだけの輪ゴムを
承諾した。