きみに守られて

いつももの朝に
優里は勢い良く、
バケツを棒切れで叩きながら叫ぶ。

「さぁ!
やる気の無い人はお昼ご飯抜きですよ!」

元気良く彼女の声が響く。

優里が意味深い笑みを浮かべ
ユリツキの元へ来る。

「ユリ兄。
今日は残業ですからよろしくね」

「なんでだよ。
今日は夕方から釣の日なんだよ」

「ダメです!今日は私に付き合うのです!」

主張は強引にねじ伏せられる。

微かな温かみをおびた風が、
名も無き雑草を揺らしていた。

一仕事終わり、午前十時、
一度汗まみれになったTシャツが
乾きかけていた。

ユリツキは、納屋前で人を待っていた。

程なく、時間通りに白い軽トラックが
農道に面した雑木林の間から姿を表す。


「それじゃ、ユリツキ君を借りるよ」
与一郎が優里に微笑みかけながら言った。

「お役に立ちますかどうか、
心配ですが、どうぞコキ使って下さい」

優里は丁寧にお辞儀をしながら言った。

ユリツキは無言のまま優里に
中指を立て、軽トラックに乗り込む。

「べーーー」
優里は舌を出し送り出す。