きみに守られて

農業の知識も語った。
肥料の種類、
米の作り方と時期、
害を及ぼす雑草の葉の形状から、
害虫の駆除の方法まで
会話が成り立っているかのように、
話していた。

屋根裏に登ろうとしない二人に
対して久美子は違った。

味気ない白色のろうそくで灯す”兄”へ、
色、形、様々な種類の蝋燭を贈っていた。

屋根裏生活での正樹は
一日中降りてこない日が
何日も続くことがあったのだが、
それでも久美子は毎日欠かさず、
子供の背では間隔が大きすぎる
ハシゴの横木を一段一段必死に登った。

最後の二段だけは
横木が折れて昇れずに
背伸びと腕の長さだけで、
屋根裏の床に何とか置いた。