きみに守られて

「ぼくは運が良いんですか?
悪いんですか?」

「おおお!」

「なんなんですか?」

「敬語になっているぞ!お前!」

「それツッコンでいいんですか?」

「まぁ喜べ!
向こうに行ってもお前は死なん。
あの子も、ああやって生きてる。
次にここの時が動く頃、
お前もまたここに立ってる。
そこから先に進んであの子とすれ違い、
また家に帰れる、
何事もなっかたようにな」


「それじゃ、
もしかして大島優里はぼくを知ってるんですか?
あそこにいる大島優里は?」

「あの子は何も憶えとらんよ、
オイラと入れ違った空間の
扉の場所から再び、
十六のあの子は裏の記憶も消え、
何事もなかったように人生を歩む。
確かにお前が助けに行く、
お前と出会う、
そして十六歳から十九歳の今のあの子と
同年齢までの三年間、
あの手この手で守り抜く」

「ちょっと!三年も一緒にいるんですか?」

「そうだ三年だ。
三年も一緒にいれば、
いくらブっさいくで、
アホなお前でも、
惚れられかもしれん」

(喧嘩売られてる?)

「裏の世界で十九歳になって、
今日を迎えると
再びあの子は十六の時の、
この場所、お前は今のこの場所に戻る。
再び人生がスタートする。
それには別の三年間の記憶が必要か?
混乱するだけだ。
喧嘩は売ってないぞ」

「そうですか。
そうですよね、
記憶があったらぼくに会いにきてるだろうしな。
記憶があったら大変だろうしな、
大変だよ。納得か!」