きみに守られて

優里とユリツキは客間に通された。

豪華なソファーが背中と尻に
優しすぎて、
座りごごちが悪かった。

しばらくすると正樹の妹久美子が
お茶を運んできた。
久美子は一度チラッとユリツキを見て、
恥らうかのように目線をそらした。

優里は軽く手を振り
久美子もその瞬間だけは
素の笑顔が零れる。

瑠璃色の湯呑を二つ
テーブルに置いた久美子は
優里の対面に座った。

優里より一つ年下だが
どこか古風な雰囲気をもち、
同時に氷の彫刻のような
冷たい美しさもあるような女性であり、
潤んだ黒い瞳が美しかった。
美人である。

優里と久美子は
かしこまり会話を遊び半分でしていた。
他人行儀な会話で今にも
吹出そうとしている。