親の仕事の都合での転校は2回目。
友達なんて作りたくなかった。
人一倍、コミュニケーション能力が低かったから。


何に対しても冷めていて、そっけないあたしに、クラスの全員が早々に飽きた。
と言うか、呆れた。



そんな中でひとりだけ、しつこかったのがスズだった。

教室が嫌で、図書室で読書してると、
必ず横に現れて聞いてきた。


「何の本読んでるの?」

「.....小説」

「どんな内容? 読み聞かせて!!」

小説って読み聞かせるもんじゃないだろってつっこむと、


「近所のお兄さんは読み聞かせてくれたのに!」

って目を2倍の大きさにしてた。



あの頃から既に、相当変な子だった。