工藤章を気にしてる理由は他にもある。 さっきの、鈴音とのキス。 明らかに俺を敵視していた目。 俺はその中に、ドス黒い塊を見た気がしたんだ。 あいつは、鈴音のことが本気で好きなのだろうか。 信用できない。 吐きかけたため息を飲み込んで、イスに腰掛けた。 タバコを出して、火をつける。 いつもは安心するこの瞬間も、今は不安を拭えなかった。