手の中にある、1枚の手紙。 丁寧な字で書かれた 「好きです」 の文字を見て、ついさっきこの部屋を出て行ったあいつのことを思い出していた。 誰もいない図書室。 机にぶつけた後頭部と、あいつとキスした唇。 両方に熱を感じながら、俺は雲ひとつ無い空を見ていた。 ―――お前に出会えたから、教師になってよかった なんて、俺は相当狂ってしまったのかもしれないな。