「っ!きゃーーーーっ」
女の人は、私と目が合ったとたんに悲鳴をあげた。
そしたらあたなは、私のもとに来てくれたね。
「サクラ、落ち着けって」
あなたは彼女に優しい言葉をかけながら、私に何かを向けてきた。
シューという音と共に、私はなぜか息ができないほどに苦しくなった。
だんだんと目が霞んできて、あなたが私を見つめていることしかわからなかった。
かすかに2人の声が聞こえる。
「もう大丈夫」
「ほ、本当に?」
「あぁ」
ねぇ、あなたはその女の人を選ぶんだね。
私がその人みたいにお洒落だったら。
「もう本当にありえない!」
「まぁ、そう怒るなって」
私がその人みたいに美人だったら。
「気持ち悪すぎ!」
「……まぁな」
あたなは私を好きになってくれたのかな?
「ゴキブリなんて、この世から消えちゃえばいいのにっ!」
「オレ等の大事な時間を邪魔しやがって……」
最後に聞こえたのは、2人の楽しそうな笑い声だった……。
end


