「おぉ、サクラ」


「タカシ〜。おじゃましまーす」


玄関から聞こえる女の人の声。


その女の人は、何の躊躇いもなく部屋に入ってきた。


「意外とキレイじゃん」


スラッと背の高い女の人は、私たちの住む部屋を物色し始めた。


ここは私と彼の部屋なのに……。


「まぁ適当に座って」


あなたはそう言いながら、2人分のコーヒーを作った。


2人のマグカップが置かれたテーブルを挟んで座っているのは、あなたと女の人。


どうして?


1ヶ月も一緒に、暮らしてきたじゃない……。





悔しくて悔しくて、私は女の人に近づいていった。