雪恋〜ゲレンデで恋して〜

今度は少し体を預けるようにした。


シンくんの胸と自分の背中がくっついて、シンくんの温もりと、心臓の音が伝わる。


ドクドクって…少しはやい気がするけど、絶対あたしの方がドキドキしてるよね…シンくんも緊張してるのかな。


そんな風に考えていると、

「やべー。俺今心臓バクバクいってる。こんなの初めてだよ。」


そう言ったシンくん。


それだけで、嬉しい。今までベタベタするのを嫌っていたシンくんが、あたしには自分からくっついてくれる。


あたしはそれだけ特別って思ってもいいのかな。


あたしの中、シンくんはすでに特別な人になっちゃってるよ…


きっと付き合う前からそうだったのかもしれない。


「シンくん…大好き。」


呟くように言った。


シンくんは


「俺も」


そう言って、さらにギュッと後ろから抱き締めてくれた。



「俺、これ以上くっついてるとヤバい…」


そう言って少し離れる。


ヤバいって何が?少し離れられて少し寂しい。


「ヤバいって何?」


「ヤバいって…そこ聞く?遥、俺に押し倒されていいの?」


そういうこと?首をブルブルふる。