「李乃!!お待たせ」
「涼介ぇ…。」
「!?何で泣いてんの!?」
「えっ!アタシ、泣いてなんかない!!」
次々に溢れ出す大粒の涙。
「思いっきり泣いてんじゃん!」
「泣いてないよっ!!」
なんで溢れるの?アタシと涼介は幼馴染で、それ以上のなんでもないっ!!
なのに涼介の事、考えるだけで胸が苦しくなって…涙が溢れてくる。
「っ!!…。」
「おい、李乃!!」
「気にしないで…。」
「そんなの無理に決まってんだろっ!」
「…アタシのトコロにいていいの?」
「!?」
アタシの瞳は冷血した瞳に変わっていた。
「お前、その目…。」
「亜実先輩に告白されたんでしょう?」
「は!?何で知って…。」
「なんとなくだよ。付き合うの?」
「ううん、俺好きな奴いるから…。」
゛好きな奴゛
その言葉に胸が苦しくなる。
また涙が溢れてきた。
「李乃…。」
「ゴメンネ。ほっといて…。」
アタシは、そう言って涼介に背を向け、その場を去った。