すると
体温計が鳴る。
「あ、出たみたいだな。」
圭が言うと私は体温計を見る。
「37.2℃…」
熱ある…
「まだ少しあるな。」
「うん。でも、私はもう平気だよ…」
「咲良…」
「ありがと、圭。」
「…咲良、俺…」
「ん?」
「…転校するんだ。」
「…え…」
「実和と仲良くしたり避けたりしたのはお前から離れる為だった。」
……え……
「どうして…」
「親、心配するぞ。今日はもう帰れ。」
「圭…」
「ゆっくり休めよ。」
圭には何も聞けなかった。
私は仕方なく鞄を持って圭の家を出た。
転校…しちゃうの?
気持ち、伝えられなかったな…
圭は切ない表情をしてた
伝えても
圭は離れちゃうんだ。
離れたら
私はどうなるのかな。
考えたくないよ、圭。


