「咲良、大丈夫?」


彩夏が来て私に聞く。


「平気。慣れっこだし。」


私は無理に笑って言う。


すると


「俺、圭んとこ行ってくる。」


川瀬君が言う。


…え…


「やめなよ、川瀬。ケンカしたら余計に咲良が…」


彩夏が川瀬君を止める。


「咲良、とりあえず保健室行こっか。毎日、無理して明るくしすぎだよ。休んで…落ち着こ?」


彩夏が私に言う。


「でも…」


「咲良は強がりなんだよ。休んでいっぱい泣いてたら落ち着けるから。」



「ううん、強くならなきゃだめだよ。」


「咲良…」


「いっぱい泣いて、圭を諦められればいいよ?でも、それが私にはできないんだ。どうしようもないんだ…」


「咲良…」


「私は大丈夫だから。」


私は彩夏に言う。


泣いても泣いても
だめみたいだ。


この“好き”は
ずっと止まらない。


圭に無視されても

ずっと気持ちは
変わらない。