ねぇ、圭。
もう戻れないのかな?
未来が辛いままなら…
過去に戻したいよ。
もう
側にいられないの…?
「窓際の一番前か…」
席がえ。
隣だった圭とは
席がかなり離れた。
離れて良かったんだ、
辛いだけだし。
だけど
寂しい…
だけど
――ガタンッ
「よろしく!」
「…あ…」
川瀬君、隣…
「よろしく…」
私が言うと川瀬君は笑う。
優しさに
甘えてはいけない
傷つけちゃうから。
だけど
それでも川瀬君は
私に優しくする。
我慢してるものが
全て崩れそうになる。
「黒染めしようかな…」
「黒染め?」
「さくちゃんは黒髪と茶髪、どっちが好き?」
私と川瀬君は休み時間に毎回楽しく話す。