「いいの?」
「なぜ聞く?咲良しかいないだろ。」
「え?」
「お前といると楽しいから。」
「そ、そっか…」
楽しい…か。
「ああ。そういえばさ…」
「な、何?」
「二人三脚。咲良、一緒にやらねぇ?」
「二人三脚…?」
「他の女子はすぐ騒ぐからな。俺と組むくらいで。」
モテ男だからね…
「いいよ。上手くできないかもだけど…」
「いいんだよ、そんなの。」
「うん…」
「よろしくな。明日から放課後、二人三脚は練習だから。」
「あ、うん!」
二人三脚かぁ…
「…あ…」
気が付いたら
圭の下車駅。
「じゃ、ここで。」
「あ、うん…」
「またな。」
圭は笑って私に言うと電車を降りた。
圭……
私はまだ知らない。
この気持ちの意味を。


