嬉しいなぁ。

でも来年は……



「咲良。」


「ん?」


私は圭を見る。


「誕生日おめでと。」


圭はそう言うと小さな紙袋を私に渡す。


「あ、ありがとう…」


何だろ?


私は小さな紙袋を開き、中身を取り出す。


……あ……


「可愛い…」


さくらんぼ柄のシュシュ。


「咲良だけにな。」


圭は笑って言う。


「ありがとう!大切に使うね。」


私はそう言うと手首にシュシュをつける。


「可愛い…」


嬉しいな…


「そんなんでごめんな。」


「ううん、すごく嬉しいよ?」


圭から貰った物だもん。



だけど


……あ……



こんな幸せな時間は
あっという間。


「帰らなきゃ。お母さん、心配するし…」


時計を見るともうすっかり夕方だ。


「そうか。」


圭は寂しそうな表情。



圭?