…あ…
教室に戻ると、まだ健介君がいた。
健介君…
圭は私の手をギュッと握る。
すると
「あの…森川先輩…俺…」
「俺、咲良渡すつもりねぇから。」
圭が健介君に言う。
「離れても俺らは変わらないってはっきりと言える、ずっとな。」
「九条先輩…」
「それでも諦めないつもりか?」
「い、いえ。すみませんでした。俺…あんな事言って…」
「分かったならいい。」
圭がそう言うと健介君は教室を出た。
「圭…」
私が圭を見ると圭は私の頭を優しく撫でる。
圭…
「咲良、圭…ごめんね。」
実和が私達に言う。
「大丈夫だよ、実和。」
私は実和に言う。
「気にするな。」
圭は笑って言う。
「あたしは二人は遠距離でも大丈夫って思ってるからね。不安にならないで!」
実和は笑って言う。
実和…
「うん!」


