「ごめん…私、弱いね。ちゃんと強く言い返したいのに。言葉が出てこない…」
涙が止まらない。
「咲良…」
「圭、ごめんね。怒ってる…?」
「怒ってないよ。俺のがだめな奴だよ、咲良。」
「…え…」
圭は私の隣に座る。
「俺が離れてる間の咲良を考えて不安になってた。咲良はちゃんと俺だけを見てくれてるのに…」
「…え…」
「実和の弟は咲良の側に俺より長くいられるから考えたらモヤモヤして。」
だから昨日ずっと
あんな不安げだったんだね……
「私はずっとずっと圭だけだもん。」
「そうだよな。咲良の事はよく分かってるんだ。けど、独占欲…すっげー強いからな、俺。咲良が男子と話すだけで嫌なんだ。」
圭……
「妬いてたの…?」
「ああ。」
「健介君は弟みたいな感じで全然…」
「それでも…独占欲がな。咲良は俺のだって。」
圭……


