「圭…?」
「悪い…起こしちゃったな。」
嫌な夢見たんだね…
「圭、私はどこにも行かないよ?」
私は圭を抱きしめ、言う。
「咲良…」
「心配…しないで?」
「ああ…」
圭を不安にさせたくない…。
「どんな夢見たの…?」
「咲良が俺から離れるんだ。俺が何度呼んでも…咲良は気付かないんだ。」
「圭…夢だから大丈夫だよ?」
「そうだな…」
圭は私の頭を優しく撫でる。
大丈夫だよ…圭。
「ごめんね、本当は泊まりたかったんだけど…」
私は圭に家まで送ってもらった。
「大丈夫だ。咲良は親に心配かけるわけいかないもんな。」
「本当に大丈夫?」
「ああ。」
「そう…」
圭……
「俺、弱いな。」
「不安なのは仕方ないよ!圭も私も同じ気持ちなんだよ?」
「そうか…」
「うん。」
それは仕方ない事なんだよね。


