ただずっと、君だけを。




「森川先輩、あの良かったら一緒に帰りませんか?」


健介君が私に言う。


「ごめん!圭…待つから。」


「九条先輩…委員会じゃ…」


「けど、圭と一緒に帰りたいから。ごめんね?」


圭とこうしていられるのも、あと少しだから…


「わかり…ました。」


健介君は教室を出た。


寝て待ってよう…


私は圭の席に座り、机に突っ伏し眠る。


圭……






――カタン


「咲良。」


…ん…


圭の優しい声が聞こえる…


…あ…


ば、爆睡してた…


もうすっかり夕方だ。


私が起きると圭は優しく私の頭を撫でてる。


「待っててくれたんだな。」


「うん。圭と一緒に帰りたいから…。」


「咲良…」


「圭とこうして帰れるのあと少しだもん…」


私が言うと圭は切ない表情をする。


「そう…だな。」


時間はあっという間なんだ。