「これ、これ!」


彩夏は私に雑誌のレシピ集を見せる。


「お、美味しそう…」


上手く作れるかな…


けど…


「やっぱり大切なイベントだよね!」


「もちろん!」


「うんうん!」


…はっ…


「実和、やけに頷いてるけど…?」


私は実和に聞く。


「あ、あたしも頑張るんだ!今年は。」


「へ?」


「好きな人…できた!」


実和は笑って言う。


「え!?」


「マジ!?」


私と彩夏はびっくり。


実和の好きな人って…


「せ、村上先輩。」


実和が言う。


「村上先輩…」


確か、野球部の…


「な、内緒にしてよね!」


「へぇ…」


「実和、顔赤い!」


「咲良!彩夏!」


実和も恋してるんだな。


私は圭を見る。


圭は友達とふざけてる。


圭と同じ教室にいられるのも、あと少し…か。