「何で、咲良…着物?」
「お母さんがうるさかったの。圭の両親にも会うからって。」
昨日は気にしなかったのにな。
「俺の親、そういうの気にしないし。」
「圭、何で拗ねるの?やっぱり着物おかしい!?」
やっぱニットワンピにすべきだったかなー。
「違う…けど。」
「もお…何なの?」
「あんま目立たないで欲しいから。」
「へ?なぜ?私といたら恥ずかしい!?」
「…じゃなくて、男みんな見るだろ。」
「へ?」
そういう意味かぁ…
「ガキだな、俺。独占欲…。」
圭…
「嬉しいな。」
私は圭に言う。
「え?」
「咲良は圭のでしょ?」
「咲良…」
「それに圭にはいつもやられっぱなしだからね。」
「へ?」
「私もたまには圭をドキッとさせたいの。」
「…え…」


