「…あ。」
携帯の時計を見ると0時。
「明けたな。」
「うん。圭、あけましておめでとう。」
「ああ。あけましておめでとう…」
「今年もよろしくね?」
私が言うと圭は笑う。
「ああ。」
今年も良い年になるといいな…。
「さて、そろそろ咲良の家に戻らないとな。」
圭が言う。
「え?」
「一応夜中だし。心配かけると悪いだろ?」
でも…もう少しだけ。
「やだよ。もう少しだけ圭と二人がいい。」
「咲良…」
圭はいきなり私の手を引き歩き出す。
「ど、どこへ?」
私が聞いても圭は黙ったまま。
圭…?
「公園?」
圭が連れ出した場所は人気のない公園。
「ここなら二人きりになれるからよ。」
「う、うん…」
二人きりになるのはやっぱり緊張だな…
言い出したのは私だけど……


