ただずっと、君だけを。



「圭…迎えに来るって。」


私は二人に言う。


「どんな男だ?」


お父さんが私に聞く。


お父さん…


「咲良。朝帰りはだめだからね?」


お母さんが言う。


「へ?」


「年越したら圭君、家に連れてきなさい?」


「あ、うん…」


「おい、咲良…」


お父さんは私を見る。


だけど


「早く着替えなきゃね。咲良!圭君の反応楽しみね。」


お母さんはお父さんを無視して笑って言う。


「うん…」


大丈夫なのかなぁ…






そして


「でーきた。」


「は、恥ずかしいなぁ…」


着慣れない着物に綺麗な髪飾り。


「大丈夫!咲良、すごく可愛いから。」


…うっ…


お父さん……


盛り上がるお母さんとは反対にお父さんは複雑な表情。


すると


――ピーンポーン…


チャイムが鳴る。

圭かな!?

どうしよ…緊張してきた…