だけど


「はあぁ……」


やっぱりビリでした…。


「お疲れ。」


徒競走が終わると彩夏は私の頭を撫でながら言う。


「彩夏〜。」


「次はドッジボールだよ?頑張ろっ。」


「…え…」


ど、ドッジボールっすか……。


私…



「…何で…」


逃げるのは得意だが、当てるのが苦手な私はずっと抜けられない。


……う……


当てられたら楽なのに…


つい
怖くて逃げちゃうし…




「咲良、すげーじゃん。」


圭は笑って私に言う。


「圭…」


「頑張ろうなっ。大丈夫だ、俺がいるから。」


圭は笑って私に言う。


だけど


「ひっ…」


「はわわわ…」


相手チームの女の子は私ばかりを狙う。


あー…

あの人達、確か…
圭のファン……。



女って怖い。