「や、やっぱ慣れない…」


メイド服に着替えると私は言う。


「大丈夫、圭と俺がいるし。」


川瀬君が言う。


「へ?」


川瀬君…


「今日は俺もウェイター。呼び込みは中西ちゃんに任せた…」


「な、何で?」


「気まずいでしょー?」


「あ、ありがと。」


私が言うと川瀬君は笑う。


「そうだ、知ってる?C組、おばけ屋敷やってるらしい。さくちゃん、行く?」


「こ、怖いから…」


「カップルは特典ありだってさ。」


「でもなぁ…」


怖いし…


「午後は圭と回ってきなよ。俺らで何とかするから。」


「あ、ありがと。でも…」


川瀬君、何で…


「やっと付き合えたんだよ?それに、俺はもう平気だからさ。」


川瀬君…


「あ、ありがとう。」


私が言うと川瀬君は笑う。


「いえいえ。」


ごめんね、ありがとう…川瀬君。