だけど


「これですっきりした。」


圭は笑って言う。


……え……


「圭…」


「大丈夫だ、これくらい。」


「だ、だめ。私の為にそんな事…」


「咲良は何も悪くないんだぞ?俺はこれくらい当然。」


「でも…」


すると


――グイッ


「へ?圭?」


圭は私の手を引き、教室を出る。


ど、どこへ?







「ここなら二人になれる。」


図書室に着くと圭が言う。


私達しかいない図書室…


「圭、痛く…ない?」


私は圭の頬に触れ、聞く。


「へーき。これくらい当然だからな。」


圭…


――ギュッ


私は圭に抱きつく。


「どうした?咲良、甘えん坊さんか?」


圭は笑って聞く。


だけど


「圭、ごめんね。ありがとう…。」


「いいえ。」


圭はそう言うと強く私を抱きしめる。