「うん…。」


すると


「森川さん!」


……あ……


中西さんが怖い顔をして来た。



「どういう事?あたしから圭を取るなんて…」


「と、取るだなんて…」


私はただ…


だけど


……あ……


ビンタされる!?


私は目をつぶる。


だけど


――パンッ


……あれ?


私は目を開ける。


……あ……


「け、圭!?」


私の代わりに圭がビンタされた。


「咲良は何も悪くねぇし。咲良に手出したら許さねぇからな。」


「圭!」


中西さんは泣きそうな表情で圭を見る。


「お前だって昔、俺にひどい事した。おあいこだろ?」


「…っ…」


「俺、もう咲良と離れるつもりねぇから。」


圭が言うと中西さんは教室を出た。



「圭…」


私は圭を見つめる。