「先輩、すみません。こいつ、俺のなんで。」
…え…
圭!?
「け、圭…」
「咲良、行くぞ。」
圭は私の腕を引き、走り出す。
圭…?
――ガラッ
「ここなら大丈夫。」
圭が私を連れ出したのは使われていない教室。
「どうしたの?」
「咲良、探してた。話あって。」
「わ、私もだよ。あの…中西さんとは…」
「何もないよ、もう。」
「え?」
私は圭を見る。
「あいつにはひどい事されたし、最後にひどい事言っちゃった。」
「圭…」
「最低なのは俺か。利用してた。咲良から逃げてた…」
「どうして…」
「離れたら終わりだから。それが辛いから…」
「圭…」
「でもやっぱやめた。もう我慢も嘘も嫌になった。俺、自分に素直になる。」
「……え……」
すると
圭は私を真っ直ぐ見つめる。
――ドキッ


