ハナミズキ~先に去ったあいつへ~

家に帰ってからも30分位泣いていて
ようやく声を出せるようになった。

葵:
「朝に…ばあちゃんの部屋に電気がついていて
見に行けばよかったんだけど
早く寝たからと思って見に行かなかったんだ」

話し終わったらまた、涙が出てきた。
お母さんとお父さんは
おれのことも心配し言葉をかけたあと
ただ、おれを見ているようだった。

大丈夫だからとか、
心配ないからとか、
おまえのせいじゃないとか…
おれはそんな言葉をほしいから泣いているわけじゃなかった。

むしろ、おまえのせいだとか言われた方が報われた。