ハナミズキ~先に去ったあいつへ~

ずっと、一人で泣いていた。



お父さんが来て、
タクシーで一回帰るからついてくるように言われたけど
ずっと泣いていた。

タクシーの中でも涙は枯れることはなかった。

家に帰っても泣いていた。

お母さん:
「もう泣かなくていいからね」

葵:
「おれの…おれのせいだから…」
「おれがあの時…」

泣きすぎて声にならなかった。
泣いても泣いても涙は途絶えることがなかった。