ハナミズキ~先に去ったあいつへ~

一歩足を踏み入れてみるとそこには
葵:
「ば…ばあちゃん?」


ばあちゃんは、ベッドの下に倒れていた。

畳が敷かれているその部屋に一人で倒れていた。

ベッドから数十センチ離れたところに、
右側を向いて倒れていた。

目は開いているけど反応ないまま倒れていた。

ビクッビクッと痙攣し、
失禁もしたまま倒れていた。

おれは…その場に立ち尽くした。

何も出来なかった。

本当に何も出来なかった。

本当に…本当に…何も出来なかった。