ハナミズキ~先に去ったあいつへ~

とおれの頭の中で火花が散っていましたっけ…
天使と悪魔が行き交う中彼女の髪に触れるのが精一杯でした。

結局…彼女が目覚めてから送っていった。

12月も半ばに入った日の夜…

辺りはすっかり暗闇に包まれた。

吐く吐息も真白く雪もちらついていた。

足場は悪く氷が張っていたが、反射する光はきれいでだった。

2人はなぜか知らないが終始無言でゆっくり歩いていた。

あと、数百mで彼女の家まで着くときにおれは口を開いた。