ハナミズキ~先に去ったあいつへ~

広夢の病気は癌だった。

抗癌剤治療して肺の影は良くなった。

でも、脳幹部に転移していて、

もうすでに手遅れだった…

若年者だから、癌の進行速度も速いらしい。


広樹さんは帰りに壱万円を渡した。

広樹
「これで美味い物でも食って帰ってくれ」

何度も断ったが結局受け取った。
四人は駅前で牛タンを食べた。

なんか、味がしなかった。

涙のせいか、

悲しいせいか、

悔しいせいか、

味は全く覚えていなかったけど、

ネムはご飯を何杯もおかわりしていたのは覚えている。