ハナミズキ~先に去ったあいつへ~

一人一人名前を呼ぶ力もないほど
泣いていた。

葵:
「広夢…」

ゆう:
「広夢…」

やっち:
「広夢…」

ネム:
「…」

ネムは声をかけられないほど泣いていた。


面会時間も限りがあったのでそろそろ別れの時間だった。

たったの10分で最後の別れ。

新幹線で2時間かけて来たのに10分しか会えない残酷さ。

何を最後に言えば良いのか四人はわからなかった。