ハナミズキ~先に去ったあいつへ~

眼鏡をかけて
いつものオレンジのバッグを背負った広夢がいた。

広夢が歩いて迎えに来ている。


…。


…。


…。



たぶん、おれだけじゃないだろう。

四人の誰しもがそう思ったに違いない。

これから、死にそうな広夢が…

脳死だと言われている広夢が…

目の前に立っていて
おれらを迎えに来ている。