みんながいなくなった教室で中田先輩は話だした。




『咲ちゃんってさ今好きな人とかいる?』




「えっ!?」




『もし良かったらつき合って欲しいなって……』




「ごめん…… 実は彼氏出来て………」




咲は俯きながら答えた。




『そっか…… 彼氏出来たって本当だったんだね?』




「えっ? 誰から聞いたの?」




『学校中で噂だよ』




「えっ?」




『咲ちゃんさ可愛いから人気あるんだよ!?』




「えっ!?」




何が何だかさっぱり分からない咲。




『だから咲ちゃんは学校のアイドルって事!! 愛ちゃんも結構人気あったけど転校してから愛ちゃん派の奴は咲ちゃんに乗り換えたみたい』




「てか意味分かんない……」




『咲ちゃんは気づいてなかったかもしれないけど咲ちゃんを彼女にしたいって奴ウチのクラスだけでも90%はいるんだよ? だけどいつも咲ちゃんはあの男子といるからみんな声かける機会がなくてさ』




「そうだったんだ……」




『咲ちゃんモテモテなんだよ? だけど彼氏出来たんじゃ勝ち目も何もないよなぁ…… 彼氏もかっこいいしさ まぁ気にする事ないよ 俺は気持ち言えただけで充分だから』




そう言いながら中田先輩は咲の頭をクシャクシャと撫でた。




『じゃあ帰ろっか?』




「うん」




そして咲と中田先輩はげた箱へ向かい別れた。