証

「お邪魔しま～す」




『誰もいねぇからいいよ 適当に座ってろ』




「うん」




『コーヒーしかねぇけど』




直人はコーヒーを入れ持って来てくれた。




「ありがとう」




直人も座り２人の間に沈黙が流れた。




『お前何か喋れよ』




「直人が喋りなよ」




『俺 特に話す事ねぇし ただお前が家帰りたくねぇ言うから連れてきただけだよ』




「うん……」




『お前の家複雑なのか? じゃなきゃ帰りたくねぇとかないだろ?』




「うん……」




『話たくないなら言いけど』




「私の親 本当の親じゃないの」




『はっ!?』




「私の本当の親はね今どこにいるか分からない…… 最初は本当の親と暮らしてたよ だけどお父さんが浮気してそれで毎日喧嘩で離婚した それでお母さんは今のお父さんと結婚した だけど上手く行かなくてお母さん蒸発しちゃった…… だから今の親は私の本当の親じゃないの……」




『そっか……』




「私の事娘として育ててくれてると思う お弁当作ってくれたし怒りもする でも本当の親じゃないから……… 何か心がひっかかるの」