緊急外来に行くと人影が見えた。




『咲さん!?』




「はい」




その人は咲に会った途端泣きぐずれた。




「あの どうしたんですか!? しゅうちゃんに何かあったんですか!?」




『修平が…… 修平が……』




その人はただ泣き崩れるだけで言葉にならない様子だった。




『母ちゃん!!』




そう言いながら駆け寄って来た人がいた。




『兄ちゃんの側にいてやれよ…… 俺だって……』




『咲さんに伝えなきゃと思って 修平ずっと咲 咲って叫んでたから』




「あのしゅうちゃんどこですか? しゅうちゃんどうしたんですか?」




『兄ちゃん……… 死んだ………』




「えっ!?」




『兄ちゃん……… 飲酒運転の車に跳ねられて……… 兄ちゃん…… 兄ちゃん………』




「嘘…… だよね……」




『冗談で言えるかよ!!』




「いや~!! 絶対嘘だよ!! 毎日会いに来るって約束したもん!! しゅうちゃんが死ぬわけないよ!!」




その時、看護士が来た。




『あの修平さんの側にいてあげてください 1人できっと寂しがってますよ? あなた咲さん?』




「ねぇ 嘘だよね!? しゅうちゃんが死んだって嘘だよね!? しゅうちゃんが死ぬわけないじゃん!!」