あたしは女将さん達と顔を合わせるのが恥ずかしく、うつむきながら着いていった。
祐輔のバカ~!!
あたしはキッと祐輔をにらむ。
対して、祐輔は上機嫌で女将さんの後を歩いていた。
罰ってこういうことだったのね。
祐輔はきっと、見られてることをわかってやったんだ。
もう、もう、もう!
祐輔に文句を言いたい気持ちをなんとか抑えた。
これ以上恥をかくのはイヤだ。
しばらく、祐輔なんて無視してやる。
祐輔はフロントで手続きをし、
そこからは担当の仲居さんの案内で部屋まで向かった。
「わ~、ステキな部屋!!」
あたしは部屋に入って第一声に歓声をあげた。
祐輔には怒って話しかけてやらないんだからって、さっき思ったことも忘れてしまう。
部屋はとても広かった。



