「う…うん」



この反応…


ひょっとして、あたしの彼氏発言は、付き合いを断るための嘘だと思ってた?


だから、あたしにフラれても平然と顔を合わしてたの?


彼氏が嘘なら、諦める必要なんてないから?



「そ、そんな…」


堀口先輩がその場にしゃがみこんで、頭を落とした。


その反応にあたしがびっくりしてしまう。



「あ、あの…?」



すると、急に堀口先輩が立ち上がって、

あたしは慌てて、伸ばしかけた手を引っ込めた。



「ごめん、さすがにそれは選んであげられない。帰るわ」



「う、うん」


樋渡さんの分だったら選んだの?


そんな小さな疑問浮かんだけど、聞けずに、

ため息をつきながら出ていく堀口先輩を見送った。



「さてと、邪魔者はいなくなったことだし、選ぶわよ…!」


「は、はい…!」


あたしは奈月の勢いにつられて、大きな声で返事をした。