その言葉に、知らずうつむいていた顔をあげた。



たしかに女性の腰に腕を回し、寄り添ってる男がいて、

二人はレースの下着を手にとって、ささやきあってる。



その姿を見ると、少なからず不快に感じる。


そりゃ、男性の入店お断りってわけじゃないけど、

できれば遠慮してほしい。


先輩と一緒に入店してしまってるあたしがいえることではないけど…。



「で。どっちの下着を買うんだ? 樋渡?」



その言葉で、奈月はにっこり笑った。



「あたしじゃなくて、あんたの大好きな千沙の勝負下着よ。

意味、わかるわよね?」


「勝負…下着?」



堀口先輩はポカンと口を開けた。


対してあたしは…

絶対に顔が赤くなってるよ~!



「って、ええ!?」



一拍おいて、先輩が大声をあげる。



「千沙ちゃん、彼氏ってホントだったんだ…!?」