「ありがとう~!」 奈月の頼りになる言葉に、あたしは抱きついた。 放課後になり、あたしと奈月は一緒に教室を出た。 ところが。 下駄箱で、会いたくない人と会ってしまう。 「あれ? 帰りも一緒?」 「げっ」 声をかけてきたのは、堀口先輩だった。 斜めがけのカバンをかけて、 両手をポケットに入れて突っ立ってる。 「オレも一緒に混ぜてよ」 「だ、だめです…!」 あたしは勢いよく、首を横に振った。 「なんで?」 堀口先輩はあたしの態度に不思議そうな顔をする。 「だ…だって…」