奈月は額を手でおさえ、ため息をついた。



「あのね、私、まだ先生のことが好きなんだけど」


「や、やっぱり…?」



「留学中も忘れられなかった人だもの。

そう簡単には、気持ちを切り替えられないわ」


「そ、そっか…そうだよね…ごめんね?」


あたしはおそるおそる奈月を見上げた。



やっぱり、無神経すぎた。


それはわかってるんだけど、

結婚のことはれみちゃんにもあゆみちゃんにも言えなくて。


女子で知ってるのは奈月だけ。


相談できる女子が他にいないんだ。



「それに、私も経験ないもの。

どうしたらいいかなんて、知らないわよ」


「えっ!?」