「何してるんだ!!」
あたしに向けられたであろうその声に、ビクっとして振り向いた。
そこには、あの桜井先生が立っていた。
「こないで!!」
あたしの必死の叫びを無視して、どんどん近づいてくる。
「来たら飛び降りるわよ!」
そう叫んだ瞬間、柵の前まで来た先生はピタリと立ち止まった。
よかった………。
こう言えば、さすがに手は出せないだろう。
優しい先生には申し訳ないけど、あたしはもう決めたんだ。
枠から手を離そうとしたその時、、、、
「よっと……」
え……………?
あたしのとなりには、柵を軽々と乗り越えてきた先生が立っていた。
なんで、、、!!
「ちょっと!!
来ないでって言ったの聞こえなかった!?
飛び降りるわよ!」
「俺がそうさせない。
つーかほんとに飛び降りる気があるやつなら、とっくに飛び降りてる。」
なにこいつ!!
有り得ない。
あたしは本気。
「そんなに死んで欲しいなら、今すぐ死ぬから。
何勘違いしてるか知らないけど、あたしは本気だし」
さらにあたしは続ける。
最後だし、ね……。

