「おい、何してんだよ」
いとも簡単に、ベッドに押し戻された。
「熱があるんだ。
そんな体でベッドから起き上がっても、倒れるのは目に見えてる」
そんなこと、もうあたしには関係ない。
「あんたには関係ない。
もう…………もうあたしのことなんてどうだっていいの。
苦しんで死んだおじいちゃんを思うと………
あたしも……
あたしも一緒に…………」
「しっかりするんだ!!」
肩を掴まれて、あまりにも真剣な瞳に思わず目をそらせなくなる。
「おじいさんは亡くなったんだ!!
それは本当に気の毒だったと思う。
俺も、医師としてもっとこうしたら良かったんじゃないか、そうしたら今ごろは何か変わってたんじゃないかって、何度も思った。
でも……
でももう遅いんだよ!!
残された者には、全力を尽くして今を生きる義務がある。
もしキミがそれを投げ出しておじいさんの元へいったとして、彼が喜ぶと思うか!?
俺はそうは思わない。
そんなこと彼はきっと望んでないよ。」
先生の言葉1つ1つに、胸が締め付けられる。

