啓也side



俺は言い返せなかった。



まさか死んでもいいって言われると思ってなかったのもある。



でも




態度は冷たいのに



心は泣いているような気がして。




まるで、だれも寄せ付けないようにバリアを張っているみたいに。





その瞳があまりにも苦しそうで、

言い返すことができなかったんだ………




一体彼女は何を抱えてる?


あんな小さな体のなかに




無理して笑って



わざと人を寄せ付けないようにバリア張って



何でそんな強がってんだよ。




やっぱほっとけるわけないじゃないか






それに、勝手にベッド抜け出して。


また倒れるかもしれねーのに。







心配で堪らなくなった俺は、彼女のおじいさんの病室へと急いだ。