ぼうっとしたまま
朝を迎える。
当然のことだけど、おじいちゃんは起きてない。
ただ静かに、眠ってる。
゛早く起きて"
無理なことを願ってしまう。
持ってきた荷物から歯ブラシを取り出し、洗面台で歯を磨いた。
そう言えば、昨日の朝から何も口にしてない。
でも、食欲がない。
食べ物を食べようとも思わなかった。
コンコンッ
ドアがノックされて、看護師さんが入ってきた。
「おはようございます。
私は担当の小川です。
何かあったらいつでも私に言ってね」
そう言うと、小川さんはおじいちゃんの様子をチェックして、病室から出て行ってしまった。

